アンジェニューの歴史 1986年-2005

1986年
エシラー社がアンジェニューの株式の58%を取得。1986年から1991年までに320名以上の従業員が解雇された。
1991年
25 - 250 f/3.2 HR(高解像度)ズームは、 第三世代の35mm用10倍ズーム。これは鏡胴の動きがスムースになった、機構改良品であった。

ジャック・デビーズは言う「当時入手可能になった新しいフルオロリン酸ガラスによって、フォーカシング群の枚数を増やすことで2次的色収差を大幅に低くできました。同時に、UVフィルターを前玉に付けることで、インターナルフォーカスが可能になり、全長が一定のレンズができ、フォーカシング時に内部にホコリや結露が出たりすることがなくなりました。」

25 - 250 HRレンズの全長が変わらないということは、レンズのフォーカス送りをしても、トロンボーンのようにレンズが飛び出したりせず、大きさが変わらないということ。気密性があり、ほこりっぽい過酷な場所では特に実用的である。世界中で数百本を販売。
(クックはこれに対し、1992年に改良型シネタル25 - 250 T3.7 MarkIIIを出した)
1993年
1993年7月8日、エシラー社はアンジェニューをトムソン-CSFに売却、後にタレス(Thales)となる。アンジェニューはスチル写真市場から撤退したが、映画とテレビ用のレンズは製造は続行。公式にはタレス・アンジェニューとなり、映画制作者は相変わらずアンジェニューと呼んだ。
1998年
6月26日にピエール・アンジェニューが90歳で死去。
2000年
2000年までに多くの映画でアンジェニュー・ズームが使用された。Optimo製品群を創設。顧客の新型レンズに対する要求を広く集めた。ワイド端はよりワイドに、望遠側も伸張、口径比を大きく、MTFを改善、MODはより近く、ブリージングを低減 等。もちろん軽量化、小型化、低価格化達成した。
2001年
2001年9月、24 - 290 T2.8 Optimoズーム第一号が登場。T2.8の12倍ズームであり、その時点で最も進んだアンジェニュー・ズームであった。口径比の漸減変動は無く、ブリージングも殆ど皆無。最短撮影距離は1.22m/4インチ(被写界寸法は290mm位置で67x49mm)。24 - 290ズームは重量11kg/24.25ポンド。イメージサークルは30mm。PL、Panavision、キヤノン、ニコンマウントあり。今日の殆どの劇場映画とCMで使用されている。

2004年
17 - 80 Optimo アンジェニュー製品群に追加。

2005年
2005年6月、新型Optimo 15 - 40の試作機が、ハリウッドのシネギア・エクスポで、スティーブ・マニオスとアンジェニューによって公開される。