映画TV関連分野

総合的な映像技術サービス企業へ

360度全円周撮影装置

同じ頃、カメラそのものに関わる「技術による差別化」にも挑戦しています。

日本は高度経済成長期に入りつつあり、博覧会や博物館のための特殊映像機器のニーズが高まってきました。全周映画(サーキノ)にも大きな注目が集まりました。全周映画とは、通常シアターが平面的なスクリーンであるのに対し、円筒形シアターの内周を一部ないしすべてスクリーンとするものです。観客は自分の周囲360°に展開する映像への没入感と臨場感を楽しむことができます。

ナックは多数のカメラを円形の外周方向に向けて並べ、360°映画(全周映画)を撮るための特殊カメラを製作しました。カメラ単体は大沢商会から仕入れたARRI16STです。それらを改修し、カメラリグに固定して、リモートコントロールによる統合的オペレーションを可能としました。

また、全周カメラの製作だけでなく全周映写にも挑戦しています。カメラから映写まで、特殊映画を試みる映像作家を総合的にサポートする体制を目指しました。 特殊映像を試みる映像作家のニーズを理解し、技術的コンサルテーション、カメラ改造、撮影支援、シアター設計、さらには映写まで行うという、従来は各それぞれ専門業者が別個に存在し映像作家を悩ませた業務を一括して請け負いました。これによって映像作家はクリエーションに集中することができるようになりました。

「技術による差別化」は映像作家のクリエーションをトータルでバックアップする「映像クリエーターのための総合的技術サービス企業」という新しいビジネスへ進化しました。