映画TV関連分野

ハイビジョンへの挑戦

テレシネ、キネレコ、つくば万博風景

時代は下って1985年、日本の経済がピークに達しようとしていたとき、つくばで再び万国博が開かれました。この頃、映像はフィルムからビデオへと急速に変化しています。 ビデオはさらにハイビジョンへと進化を遂げようとしていました。また、ハイビジョンはフィルム映像を駆逐するとも言われていました。 ハイビジョン映像の可能性に早くから着目していたナックは、フィルム映像とハイビジョン映像のメディア変換装置を開発することを通じて、両者の共存、共栄を図ろうとします。

フィルムは言うでもなく現像しなければ映像の確認はできません。例えばSF映画のように複雑な特殊効果を必要とする場合、フィルム撮影では高度の経験とノウハウが必要とされました。しかし、ハイビジョン映像を利用すれば特殊撮影の効果も直ちに確認することができます。電気的信号であるハイビジョン映像の方が、ポストプロセスでの映像処理や加工もより簡単です。そこで、フィルムで撮影した映像をハイビジョンに変換した上で、特殊効果などさまざまなポストプロセスを施し、それを再びフィルムに戻して映写するという、今日のDI(デジタルインターミディエート)とほぼ同様のコンセプトを提案しました。それがこのレーザーテレシネ、レーザーキネレコです。