映画TV関連分野

自動車安全分野への進出

車対車の衝突試験の様子

前面衝突試験の様子

フォトソニックス社1PL

1960年代、急増する交通事故が大きな社会問題となっていました。年間一万人近くが自動車事故によって亡くなっていました。ナックは搭乗者の安全性を高めるために、衝突過程を高速度撮影することを提案しました。当時、メルセデスベンツ、ボルボなどヨーロッパの先進メーカーでは映像による安全解析が取り入れられつつありました。ナックは自動車産業が将来の日本の主要産業となること、そのとき安全性が大きなテーマとなることを察知していたのです。現在では新車開発において高速度カメラによる衝突解析は欠くことができない試験となりました。

高速度カメラとして米国のフォトソニックス社、コーディン社などを日本のお客様に紹介する一方、先述のフィルムモーションアナライザー、解析ソフトウェア、照明装置、簡易現像装置などを総合的に提案しました。また、単に機材を組み合わせるだけでなく、カメラ配置、照明配置、マーカーセッティング、撮影支援、解析支援など、今日におけるシステムインテグレーターあるいはコンサルタントとして安全解析に関与しました。お客様に対しては、結果を提供するソリューションビジネスを志向したのです。

これは映画分野における「技術による差別化」というコンセプトを、科学技術分野において発展的に展開したものです。この「ソリューションビジネス志向」は、科学技術分野において現在に至るナックのコンセプトとなっています。