ウルトラスローモーションカメラの新基準

放送用フルHDウルトラスローモーションカメラ「Hi-Motionシリーズ」は、2005年の運用開始以降日本を始め世界中で広く採用され、オリンピックやワールドカップ等の世界規模のスポーツ中継で多くの実績を上げてきました。また、これら多くの実績が認められ米国テレビ芸術科学アカデミーより、第62回技術・工学エミー賞を授与されるなど、今やスポーツ中継における放送用ウルトラハイスピードカメラのワールドスタンダードモデルとなっています。3板センサーの採用、B4マウント標準装備、最大撮影速度1,000コマ/秒、スロー映像再生中の同時録画、常時ノーマル映像出力、無線運用に対応するなど、放送の現場に欠かせない機能を搭載し、スポーツ中継からドラマ、バラエティーまで幅広く採用されています。
 
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スローモーション映像の再生中に録画が可能

カメラの内蔵メモリに収録されたスローモーション映像を再生しながら、同時に録画を行うことが可能です。これにより映像再生中にフィールドで決定的なシーンが起きてもそのチャンスを逃すことなく録画することができます。

常時ライブ映像出力に対応

ウルトラスロー映像の録画または再生中でも、別系統で常時ノーマルライブ映像を出力することが可能です。これにより3板式テクノロジーによる高品位な映像を赤タリー映像としてノーマルカメラと同様に利用でき、一台のカメラポジションでウルトラスローとノーマル映像を同時送出することができます。

無線運用に対応

光ケーブルを使用した運用に加え、バッテリー駆動によるワイヤレス運用が可能なためカメラヘッド単独での移動撮影が可能。FUPと組み合わせることでゴルフ中継などにおいて、無線環境で長距離を移動しながらウルトラスロー撮影が行えます。画質調整用プロセッサーボードをカメラに内蔵しているため、OCPをカメラに直接接続し現場で詳細な画質調整が行えるほか、調整した設定はカメラヘッドが記憶するため、OCPを取り外しても調整値を保持したまま撮影が行えます。また、ハンディーリモコンに加え、標準構成のスローコントローラーもバッテリー駆動可能なため、カメラに直接接続し高度な録画・再生操作が現場で行えます。

録画メモリーをカメラに内蔵

ウルトラスロー映像はカメラ内部のメモリーに記録するため、EVSなどの外部サーバーは使用せずに経済性に優れた中継放送が行えます。また、外部サーバーを使用する場合でも、出力する本線映像が最大2ch(スロー再生映像とノーマル映像)のみのため、サーバーのチャンネルを無駄に消費せず、最大1,000コマ/秒のウルトラスロー撮影が手軽に行えます。

フリッカー低減機能内蔵

スポーツ中継でウルトラスローカメラを使用する際に問題となる照明のフリッカー対策として、Hi-MotionIIでは新たにフリッカー低減機能を搭載しました。会場の照明条件に合わせて最適な調整が行えます。

最適な記録時間

カメラ内に搭載された大容量メモリーによって、例えば1,000コマ/秒時には約22秒、500コマ/秒撮影時には約44秒間の録画が可能です。

3板式センサー

"Hi-Motion"シリーズ最大の特徴であるフルHD3板センサー方式を継承し、放送局用ノーマルカメラ準拠の高画質撮影が行えます。スイッチングしても他のノーマルカメラと全く違和感のない映像が得られます。

レンズマウントは放送用カメラと同じB4マウントを採用

放送用カメラと同じB4レンズマウントを標準採用。ハンディーENGレンズや大型ボックスレンズをダイレクトに装着することが可能です。映画や工業用のハイスピードカメラを転用した製品にありがちな、マウント変換アダプター使用によるENGレンズ装着で発生する、感度の大幅な低下や画質の劣化がHi-MotionIIでは発生しません。

ショルダースタイル対応

カメラボディー形状は放送用カメラに準拠したデザインとなっており、肩担ぎ撮影にも標準で対応します。ゴルフ中継でグリーン上での撮影やリングサイドから格闘技の撮影など、現場に応じた撮影スタイルを任意に選択可能です。

高機能ペイントメニュー

付属のオペレーションコントロールパネル(OCP)からノーマルカメラと同等に画質調整が現場で手軽に行えます。

フルリモートコントロール

一般の放送用カメラと同様に、光ケーブル一本でカメラへの電源供給、リモート制御、映像の送受信、オーディオ、タリーなどの通信が行えます。

ノーマルカメラと同じユーザーインターフェースを採用

付属のOCPやカメラの操作系は既存の放送用カメラで使用されている製品を採用しているため、専任のオペレーターを必要とせず通常の放送用カメラと同様に違和感なくシステムを操作可能です。また、録画再生をコントロールするスローコントローラーは、従来から放送分野で使用されているVTRコントローラーを採用しているため、VTRオペレーターはもちろん、初めての方でも簡単な説明で操作が行えます。

EVSサーバーからのリモートコントロール

カメラの録画、再生機能の制御は付属の専用スローコントローラー加え、EVSサーバーのLSMリモコンからも制御可能です。使い慣れたインターフェースで操作が行えます。※詳しくはEVSサーバーの取説をご確認ください。(EVSサーバーの「Hypermotion」機能を使用します。)

ブロックレコーディングモード搭載

長時間録画機能を生かし、録画の際に内蔵メモリーを仮想分割することで複数のシーンを任意のタイミングで個別に録画、保存することが可能です。これにより、連続して進行する競技では決定的な瞬間を確実に録画することが可能になります。

第62回技術・工学エミー賞®を受賞

Hi-Motionシリーズは米国テレビ芸術科学アカデミー(NATAS)より第62回技術・工学エミー賞®を授与されました。世界初の3板式B4マウントHDハイスピードカメラとして、2005年の発表以来、オリンピックやワールドカップといった世界的なスポーツ中継を中心に、世界中の放送分野で広く使用されています。

カメラヘッド

基本仕様

センサー

CMOS 3板式

有効画素

1,920×1,080pixel

レンズマウント

B4マウント

ビューファインダー

・2inch カラーVF
・7.4inch 有機EL カラーVF/9inch LCD カラーVF ※大型VFはレンタル時選択

搭載メモリー

96GB(32GB×3ch)

撮影速度

・24~1,000 コマ/秒(1080モード選択時)
・24~1,500 コマ/秒(720pモード選択時)
※720p選択時も出力映像は自動的に1080にアップコンバートされます
※撮影速度は1コマステップで設定可能

記録時間

1,000コマ/秒撮影:最大22秒、500コマ/秒撮影:最大約44秒
※1コマステップで設定可能

メモリー

分割1 ~ 8ブロック

シャッター

1 ~ 100% ※1%ステップで設定可能

動作温度

-15 ~ +40℃

保存温度

-30 ~ +60℃

寸法

約W160 × H340 × D460 mm

重量

約7kg(ビューファインダー、レンズを除く)

入・出力信号

HD-SDI入出力

・BNC×1 : 常時スロー再生映像出力
・BNC×1 : 常時ノーマルライブ映像出力
・BNC×1 : モニターOUT/リターンIN
(モニターまたはリターンいずれか切替選択、キャラクター表示可)
※1080i or 720p / 59.94 or 50Hz

ビューファインダー

20ピン×1

アクセサリー

電源出力XRL4ピン×1 : DC 12V 出力(最大2A)

リモート

12ピン×1 : スローコントローラー及びRS-422

DC入力

3ピン×2 : DC 11~17V

レンズ

12ピン×1

マイク入力

XLR 3ピン×2

インカム1

XLR 4ピン×1

インカム2

XLR 5ピン×1

Sync入力

BNC×1 : 三値シンク、ブラックバースト

同期

6ピン×1 : VD(入・出力), Trigger(入力)

AUX

10ピン×1 : リターン1/2(入力), R/G Tally(出力)

OCP

8ピン×1

J-PAD

9ピン×1

USB

USB×1 : 標準Aタイプ

光コネクター

多治見

付属品

  • ネックインカム(変換ケーブル付)
  • ハンディーリモコン
  • フネ
  • レンズ/センサーキャップ
  • 取扱説明書CD

CCU

基本仕様

電源

AC 100 / 110 / 117 / 220 / 240 V ±10%

消費電力

290〜510VA(カメラ、9"VF、CCU含)

動作温度

-0 〜 +45℃

保存温度

-30 〜 +60℃

寸法

約W483×H133×D454 mm

重量

約28kg

リモート

最大延長約2km
※光ケーブルの総延長が約1.3kmを超える場合や結線箇所が多い場合、
ケーブルコンディションによってはCCUのAC入力を昇圧する必要があります。

出力信号

HD-SDI出力

・BNC×2 : 常時スロー再生映像出力
・BNC×2 : 常時ノーマルライブ映像出力
・BNC×1 : VE用モニター出力(ライブ/再生切替及びキャラクター表示可)
・BNC×1 : スローオペレーター用モニター出力(ライブ/再生切替及びキャラクター表示可)
※1080i or 720p / 59.94 or 50Hz

HD-SDI WFM出力

BNC×2 : 1080i or 720p / 59.94 or 50Hz

同期出力

BNC×1 : 三値シンク

マイク出力

XLR 3ピン×2 : 2ch、0dBm

入力信号

HD-SDIリターン

BNC×4 : 1080i or 720p / 59.94 or 50Hz

Sync入力

BNC×1 : 三値シンク、ブラックバースト
※ループスルー出力付

インカム/タリー

インカム
(ENG/PROD)
4-wire 0dBm, 600Ω, 2ch
Clearcom -15dBs, 200Ω, 2ch
RTS 0dBm, 200Ω, 2ch
PGM 0dBm, 600 or 10KΩ, 2ch
タリー R, G input / output

付属品

  • ACケーブル
  • ソニー25ピン変換ケーブル
  • コミュニケーションボックス
  • 取扱説明書

OCP/スローコントローラー

OCP

多治見×1 : 8ピン

スローコントローラー

D-sub 9ピン×1 : RS-422

中継スタイル

 
 
通常のENGカメラと全く同様にCCUとカメラ間は光ケーブル1本で最大2kmまで延長可能です。付属のOCPからは画質調整やアイリス、カメラの全設定を制御可能。スローコントローラーからはカメラの録画再生操作をすべてリモート制御可能です。また、Hi-MotionIIはカメラ内のメモリーに複数シーンのスロー映像を収録する方式のため、EVS等の外部映像サーバーを必要としません。カメラからノーマル映像と平行してカ直接スロー映像を送出することが可能なため、映像サーバーを使用せずに経済的な機材運用が行えます。

制作スタイル

 
 

制作スタイルでは光ケーブルを切り離し、CCUを使用しないでカメラヘッドのみで撮影が行えます。付属のOCPやスローコントローラーはカメラに直結可能なため、ロケスタイルでもすべての画質調整やアイリスコントロール、録画再生操作がリモートで行えます。また、カメラ本体部にもカメラの設定や録画再生を行うためのスイッチが付属しているため、カメラマン一人でワンマンオペレートも可能です。カメラ本体からはスロー映像とノーマルのライブ映像が同時に出力されているので、両方の映像を同時収録することが可能です。

2021年4月よりHi-MotionIIのレンタル取り扱いは本社XRグループとなりました

xRグループ

03-3796-7901

(平日9:30~18:00)