会社紹介

ドイツ東部の大学町イエナで、顕微鏡職人カール・ツァイスが自身の名前を冠した工房を構えたのは1846年。以来、同社の社史は近代光学技術革新の歴史そのものと言っても過言ではない。

カールツァイス社創業当初は職人の腕と勘をもとに顕微鏡を製造していたが、のちに近代光学理論を確立したエルンスト・アッベと高度なガラス工学技術を持ったオットー・ショットが会社に加わり、より高品質の製品の量産が可能となった。
カールツァイス社はその後、カメラレンズ、双眼鏡、眼鏡レンズ、そしてこれらの製品の精度を測るための測定機など、レンズを用いた様々な製品を開発し、技術力と製品分野を広げてきた。 今日では上記製品に加えて手術用顕微鏡を中心とする医療機器システム、工業用測定機、ICチップ等の製造過程に欠かせないフォトマスクの検査・修復装置等も製造しており、世界に流通しているICチップの実に7割以上はカールツァイスの半導体製造関連装置を経て製造されているという。

ツァイス_アッベイメージ

シネマレンズ事業を擁するカメラレンズ部門の創設はカールツァイスの事業部門の中でも二番目に古く1890年。以来、同部門は写真撮影および映画撮影用、近年ではデジタルシネマ撮影用に高い技術に裏打ちされたレンズを製造している。

映画業界の雄ARRI社のカメラと言えばZEISSレンズがともに語られることが多いが、両社の提携は1937年に遡る。両社の提携は70年を経た現在も続いており、豊富な焦点距離が揃う「Ultra Prime」シリーズ(1998年発表)と、他の追随を許さないクラリティを誇る「Master Prime」シリーズ(2005年発表)を世に送り出し、最近ではARRI ALEXAでのアナモフィック撮影に対応する「Master Anamorphic」シリーズ(2012年発表)と続いている。
こうした両社のパートナーシップが生み出したシネマレンズは、過去に3回アカデミー技術賞の”Scientific and Engineering Award”を受賞しており、ARRI/ZEISSの名声を不動のものとしている。

アカデミー賞2012年

また新世代デジタルカメラの普及に合わせて、カールツァイス社は2010年に「Compact Prime CP.2」シリーズを発表。これは35mmフルサイズのイメージサークルを持つスチルカメラ用レンズをベースにシネ用ハウジングが奢られ、14枚の円形絞りと業界唯一の5種の交換マウントを備え、オーナーオペレーターにとって極めて使い勝手のよいレンズに仕上がっている。 2012年に登場した「Compact Zoom CZ.2」も35mmフルサイズおよび5種の交換マウントという「Compact Prime CP.2」と共通の特長を持ち、15-30mm、28-80mm、70-200mmの3本がT2.9という実用的な開放値で繫がっている。

コンパクトシリーズ